看護師は本当に高給取り?│自己研鑽という言葉に踊らされた無賃労働も…│看護師の懐事情

ナースの叫び

看護師は一般的に高給取りと言われることもありますが、果たして本当にそうでしょうか?

今日は看護師の懐事情について書いていきたいと思います

こんなに働いて手取りはこれだけ…│急性期病院や大きな病院ほど仕事量に対する給料が見合ってない?

看護師は体力仕事であり、患者さんの命を預かるという責任を背負っているということを考えると「こんなに働いてるのに手取りはこれだけ…⁉︎」と給与明細をみてショックを受けることも多いです

世間一般の平均年収と比べると収入はいいのかもしれませんが、それが労働に見合った収入かと考えると決して頷けません

また、私の周りの看護師は、大学病院や市中の急性期病院等大きくて忙しい病院ほど仕事量に対して給料が見合ってないと訴えている人が多いように感じます

実際のところ美容系や訪問看護の方が給料はよかったり…

急性期の看護が好き!という人からすると自分の希望で働いているものの忙しい職場にも関わらず手取りは少ないという…色々と複雑な気持ちになりますよね

夜勤をしてなんぼ!│夜勤手当も雀の涙

大学病院や市中の急性期病院では夜勤をしてなんぼ…20代だと夜勤をしないと手取り20万を切ることもザラです

夜勤手当も2交代で約16時間勤務と考えると1時間あたり1000円もつかないことも…

夜勤は勤務時間が長いだけでなくスタッフの数もかなり少なくなります

「患者さんは寝てるんだしいいじゃん!」と思われるかもしれませんが、

  • 認知症の高齢者やせん妄の患者さんは昼夜逆転、夜間活発に動き回ることが多い
  • ゆえに夜勤帯で転倒やライン類の自己抜去等のインシデントが多い…
  • なぜか急変や患者さんが亡くなるのも夜間帯が多い

そういったことを考えると夜勤帯のスタッフにかかる負担はなかなか大きいです

そんな状況があるにも関わらず夜勤をしなければ収入は減る、夜勤をしても仕事量に見合った手当がもらえないとなるとモヤモヤしますよね

初任給が良くても昇給しづらい?

大学を卒業していざ就職!となるとまず求人情報で目にするのは新卒でいくらもらえるかという点だと思います

求人情報をみて「なんだ!やっぱり看護師って結構もらえるじゃん!」と思う人もいるかと思いますが

掲載されているのは夜勤手当、通勤手当等含む1年目のモデル収入であったり、基本給も額面での記載になるため実際の手取りはそれよりもかなり少ないです

入職直後は日勤から始まるでしょうから手当はなし、引かれものをした結果の初任給はかなり少なく感じると思います

求人情報と実際の手取りの給料のギャップに衝撃を受けるのは看護師に限ったことではないと思いますが手当を含む額を事前に提示されていた場合、新卒看護師がうけるショックはより大きいものになると思います

私も新卒のとき「毎日毎日勉強してストレスもいっぱいなのにこんだけしかもらえないの…?求人情報の初任給と全然額が違う…」と初任給の段階でかなりのショックを受けた記憶があります

また、看護師は初任給自体がよくてもなかなか昇給しないと言われており、リハビリ等他のコメディカルスタッフと比べても給料が上がりづらい傾向にあるようです

患者さんと関わる時間も一番長く、何かあったとき他のコメディカルスタッフに比べより大きな責任を求められるのになぜ…と理不尽に感じることも時々あります(笑)

時間外がでない…?│前残業もがっつりありますけど⁉

看護師の世界では「時間内に仕事が終わらないのは能力がないからだ」という雰囲気がどことなく漂っているように感じます

患者さんの状態によってはこの状況で時間内に終わるわけがない!という日ももちろんあるのですが、なぜかいつも時間外をもらうスタッフが「すみません、終わりません」と謝っています

担当患者の重さに偏りがあって割り振りができてない管理者も問題だろう!と思うことがあってもなぜかその日一番大変な思いをしたスタッフが肩身の狭い思いをしている光景をよく目にします

転職や病棟異動でいくつか職場を見てきましたが看護師はこのように時間外が取りづらい雰囲気の職場が多かったように感じます

現在は「忙しくてどうせ終われないんだからお金で解決しよう!」という男前な上司なので時間外もだいぶ申請しやすくなりました

同じ病院でも上司が違ったときは「まだ終わらないの?」とひたすら圧をかけられ、手当は出ないという状況だったので、この点に関しては本当に職場の雰囲気と上司の考え方次第ですかね

また、看護師は業務開始前に自分の担当患者の情報をカルテから収集する必要があり、勤務開始の30分~1時間前に出勤している人が多いです

しかし、その前残業ももちろん無賃…(のところが多い、病院によります)

また、実際働き出すまでわからないことですが病院では看護師業務以外に委員会活動というものがあります

これも職場や上司の判断によりますが委員会活動の時間も時間外が出ず無給であることが多いです

私が現在働いている病院では委員会活動の時間も勤務時間として時間外申請をしてよいことになっているようですが、その申請をさせない雰囲気があまりにも強く基本皆サービス残業です

近年は働き方改革という考え方が医療の世界にも少しずつ浸透してきてはいますがまだまだサービス残業、前残業も多いのが現実です

以前友人から聞いた話ですが、労基署の指導が入った病院は前残業の手当からしっかりとつくようになったとか…

病院も労基署からいざ注意を受けると手当を出さないわけにはいきませんもんね(笑)

実際病院は労基法的にグレー(ほとんどアウト)な働き方をしているところも多いと思うので、全病院労基署に入ってもらいたいくらいですね(笑)

自己研鑽という名の呪縛…│勉強会や委員会活動は無賃で当然?

私が最も悪質な無賃労働と思うのは”自己研鑽”という名の勉強会やセミナーに参加させられることです

「自己研鑽というだけあって参加自由ならそもそも参加しなければいいんじゃない?」と思われるかもしれませんが、だいたいが自己研鑽という名目で強制参加なんですよね(笑)

その勉強会の準備資料を作る時間ももちろん自己研鑽の時間です…(笑)

資格取得のためのセミナーや勉強会も出張扱いにならず公休が使われたり…

勤勉な看護師の良心を逆手にとったこの”自己研鑽”という表現は私自身一番悪質だと思います!

希望休も公休に⁉│希望で有給なんて使えない!

看護師は特に有休を使いきれない職業だと思います

基本看護師はシフト制であり「この日に休みをとりたい!」と思ったらシフト希望を出さなければなりません

しかし、シフトを組む上司によっては

  • 月に希望を出していいのは○日まで
  • ○人以上希望がかぶらないように

等との制限がある職場もあるようです

さらには休みの希望を出しても公休を使われるのがほとんどで有休はシフトを組む上司がいいタイミングで使っていました

例:1か月の土日祝日が計9日ある月に1日休みの希望を出したからと言ってその月の休みは10日にはならない。その月の休み9日のうち1日を希望した日にあてられる。

したがって、年間の有休を使いきれず繰り越し繰り越し…

最終的には期限が切れて消えてなくなっていくというのが悲しい現実です

いままで転職や病棟異動でいくつか職場を経験してきましたが看護師の職場で休み希望は出せても有休の希望が出せるところはなかったです

看護師は退職前や産休前でさえ有休消化ができないことが多く、いまどきのベンチャー企業等と比べると医療の世界はまだまだブラックですね…

有休が消えてなくなるということはその日数分の給料も消えてなくなっているということなので、そういったところも看護師の給料への不満になっているのではないでしょうか

看護師は高給取り?│看護師の懐事情 まとめ

  • 世間一般の平均年収と比べると収入はいいのかもしれないが、労働に見合っただけの給料はもらえないことが多い
  • 夜勤をしないと手取りはかなり少なく、夜勤手当も雀の涙
  • 看護師は初任給が高いが昇給しづらいと言われている
  • 手当なし、引かれものをされた初任給は求人情報に掲載されている給料とのギャップが大きい
  • 時間外手当が出しづらい雰囲気がある(前・後残業ともに)
  • 委員会活動や自己研鑽という名目の無賃労働がある
  • 希望で有休を使わせてもらえず、期限が切れてなくなる

看護師の給料に関する特徴はこのような感じでしょうか

これを見ると決して資格さえあれば良い給料がもらえる、高給取りなんて決して言えませんよね

やりがいをもって看護師の仕事をしていてもそれに見合った給料がもらえないと、どうしてもやるせない気持ちになります

病院って一般企業と比べると、働き方改革等いまどきの働き方が浸透しきれておらず古い考えが残っているところが多いように感じます

日々一生懸命働いているすべての看護師がその労働に見合った対価を得られるようになることを一看護師として願っています!

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